3月13日ゴギ蔵 硬派ゼロ釣法!藪沢雪中編

 天気予報は雪!山沿いの積雪は30センチ程になるとの事である。FCKで耳にした土曜、夕方のニュースである。昼間にイダ蔵さんから入った豪雪中継もかなり気になっているし・・・雪は問題ないが魚が釣れるのかな〜。
 「明日はどうしよう?山入らんほうがいいかね〜?」、「あんたは大丈夫!」店長のその一言で雪が降ろうが矢が降ろうが、釣れようが、釣れまいが我が庭へ突っ走る決意をした!

 よって、いつものように03時起床!雪による全車両のスピードダウンが予測されるため黒王号を早めに走らせる。五日市ICから高速へ乗り・・・西風新都ICを過ぎた辺りから雪がちらほらと・・・更には進行方向からの降雪が視界を遮り始める。
 ここでこれなら現地は大雪に間違いない!それどころか道中の191号も雪国と化しているであろう。時間が稼げる内に・・・とアクセルを踏み込む。
 庭へ近づくにつれ高速道路でさえも真っ白になってきた!案の定、高速を下りるとそこは・・・!降り続く雪がライトに反射し視界は最悪!・・・それでもFRで順調に走っていたが途中の登りで頭をイヤイヤと左右に振りはじめ遂に四駆にシフト!が、しかし意地でもチェーンだけは巻かないぞ!と更に先へ・・・この雪の中、いったい私はどこへ何しに行くのだろう?そんな不安さえも覚えながら庭へ着いたのは06時前、実に2時間少々のドライブであった。 
到着!舞い上がる雪でお尻は真っ白!
 夜が明けるまで一通りのポイントを確認したが当然のこと何処もガラ空きであり、この天候にも関わらず釣りに来ているのはゴギ蔵のみ!誰かに見られたら恥ずかし〜い!と思いながらもドライタイツを装着。気温そのものはマイナス4℃で大したことは無いが雪が止む気配は無し。それにしても今日の寒さは気分的に半端じゃない。これで吹雪きでもしたら・・・よって本日は硬派ジャケットを装備に追加し完全防備で渓に挑む事にした。

 今日もゴギ蔵の法則に従いポイントが決まる。とは言え選択条件はあくまでも私が今期釣っていない場所という単純なもの。工程の組み立ても完了し後は予定通りに事を運ばすだけである。
 本日の入川ポイントは解禁日に回る予定だった場所で解禁当日は先客ありで入れなかったのである。よって、残っていれば釣れる予定。さて、読みは当たるのか??
夜が明けると一面銀世界!これで餌食うのかな?
 夜が明け、硬派ジャケットに身を包んたゴギ蔵が参上!最近ハマッテる伊藤稔名人のゼロ釣法でゼロを信じ悪条件に立ち向かう!去年までの1シーズン中の束釣りは2回まで。しかし今年、0=100のゼロ釣りを始めたことで新記録が誕生する可能性もある。0=200も奇跡であるが、束釣り年2回超もゴギ蔵にとっては未知の世界!よって奇跡と言えるのである。
 本日も纏め買いした東レのフロロ01釣聖にてここぞと思しきポイントに探りを入れるがなかなかもってあまごがやる気になってくれない・・・残っているのかな?・・・と思いながらも、頭の中では底にへばり付きじっとしている渓魚をイメージ。こんなときは太糸で川をぐるぐるかき混ぜる釣り方もマッチするのであるが今期はゼロ釣り!ゼロ釣り!・・・

 しばらくしチビっこがもぞもぞと餌を咥えゴギ蔵の竿を曲げることとなった。これを機に頭の中のイメージは大きく膨らみ同場所でのトレースルートをあらゆるパターンで組み立て、実行する!サイズはバラバラだが少しづつ活性が上がり竿が曲がり始めたのである。さかな、残っててラッキー!!
まずまず!
 さあ、渓魚はようやく本気になってくれ始めたのだが天候が一向に良くならず、さ、寒い・・・ゴギ蔵の活性が低下している!しかし、こんな時でも先週、自分なりの感覚で覚えたゼロオートマチック釣法がカバーしてくれるのである。先ず、底でじっとへばり付いている渓魚の口へ餌を流し何とか咥えさせる。餌を咥えたら01のオバセで微妙な違和感を与え少し走らせる。走り出したら糸を送りフリーにし一呼吸。穂先に僅かな力をゆっくりかければあら不思議?針が飲み込まれること無く上手く口に掛かっているのである!!まさにオートマチックである!去年までの釣り方であればたぶん針に乗せることが困難であろう獲物も比較的楽勝で針に乗ってくる!当社比30%アップってとこでしょう!(注:飲み込まれた奴はオートマチック釣法ではありません!残念!)
まさにオートマチック!
ここで一句  雪止まず、ラインも凍てつきお祭り騒ぎ!  ゴギ蔵
 それにしても、先ほどから竿にラインが凍り付き手返時間が掛かって仕方がない!凍った目印がもつれたり、天井糸が凍りついたりとトラブル続き!無理に引っ張ると01なんて直ぐに切れるし正直、嫌になる!天候も含めゴギ蔵をここから追い出そうとするのである。それでもメゲナイ!ゼロは必ず勝つのである!
 右岸から一通り流すと川を切り左岸からの攻撃!そうすることによりさっき出なかった魚が出てくることもある。テンカラも同じ!実際これでここから2匹引きずり出し沈黙!工程通りに次へ・・・・!
 お次も解禁に先行者有りのパスしたポイントであるが水深があるので底に入れないと釣れない場所!よって当日、キッチリ底へ入れてなければあまご達は元気に泳いでいるだろう。
 先ずはB玉にて中間層から駆け上がりの獲物たちに矛先を向ける!中間層は釣られたのか?あまり出ないが駆け上がりでは予想通りの出方でありここでもゼロオートマチックが炸裂するのである!お次はB+Bで底を掻っ攫う!吹雪の中にもかかわらず魚の活性を上げることに成功し?順調に舟に追加する。凍てつくラインも何となくコツを掴みトラブルも減少して来たぞ!!こんな凍てつく日にはラインは竿に当てるべからず!目印は通常より間隔を広く取るべし!。それにしても、辛すぎる・・・アンダーグローブ装着済みにも関わらず指の感覚が定期的に無くなるのだ・・・体力的にも限界か?時刻は12時前、体温保持目的と一時的な上昇を求め黒王号へと避難し腹ごしらえをすることにした。当然のこと、車内に戻ると雪は止み、青空が覗くのだ!!なんでだ!
 気になる昼までの釣果は様々合わせて58匹であった。これ(雪)では今日は束は無理だし、出来ればこのまま止めて帰りたい・・・が正直な気持ち!初めて泣きが入ったのである。
 
 が、しかし今日は硬派ゼロ釣法!あくまでもスパルタンに且つ繊細に戦わなくてはならない!ここで帰る訳には行かないのだ。再び凍てついたマスターゼロを手に次のポイントへとステージを移したのである。
 ここも約一年ぶりのポイントであるが心配をよそに川相は余り変わっていない。視覚的にはコロニーも無事の様に感じられる。解禁はここも人がいたが魚は多分に残っているだろう!きっちりと正面から渓魚に挨拶をすると・・・こんにちわ!っと出てくるのである。 
 気温は朝よりも低下したらしい。金属のタモ枠にグローブが当たろうものならばりっ!・・・くっ付いてしまう。更に驚いたのはナマリが一瞬にして枠にくっ付くのだ!ここは我が家の冷凍庫よりも高性能!私は超大型製氷機の中であまごと遊んでいるのである。もちろん水の中の方が暖かく指が動かなくなれば川へ指を浸すのだ。ここまでして釣りを続けるゴギ蔵は硬派に恥じないスパルタンな釣師である!(と、自分で自分を誉めてやった)
 ここも読みが的中しゼロオートマが炸裂!!23センチも飛び出し!雪の渓でかけっこも始まる。
ゼロオートマ炸裂!!
針、飲ますべからず!
 時折、吹雪の様な状況になりながらも皇帝ペンギンの様にじっと耐え竿を振る!ただひたすら束を求め・・・釣りとしての楽しさは何時の間にか消え去り時間というプレッシャーを感じながら奇跡を求め渓を徘徊するのだ・・・。
 気が付くと舟は白く、タモは氷で覆われ竿は伸縮さえも不可能な状況になっていた。そんな中、関心したのはタックルの中で最も繊細な存在の01ラインである。こんな過酷な状況下においても魚が掛かって切れる事が一度も無いのだ。もちろんマスターゼロのお陰でもあるがそのマスターゼロでさえ氷に覆われ十分な柔軟性を発揮できていないのが現状である。
水から引上げると渓魚も動きが鈍くなる・・・
 昼からの戦いも終盤を迎えふとした油断からラインを藪に取られてしまった。時計を見ると時刻は17時前、丁度良い時間なので数をカウントし束超えならばここで終了!超えてなければ修行不足の罰として日暮れまでのラスト1時間、本気で自分をいじめる事にした。さあ、運命の釣果は・・・・
 束を求め雪の渓を一人漂う
 ・・・65匹!ということは、午前と合わせてワン、ツー、スリー、123匹で束達成!これで帰れる!そして束釣り年3回達成の奇跡が起こったのだ!(たまたまですけどね!)
 よって、完全に凍りつき縮まなくなった竿を川に浸け解凍し17時納竿となった!
今シーズン記録の123!
 それにしても今日は自分なりにホントに良く頑張った!目標もクリアーし大満足である!ゼロオートマ釣法は最高に面白い!!良く遊び、良く学び、満足した後は再び今日遊んでくれた渓魚達を川へ戻してやる藪沢ゴギ蔵であった。ゼロ最高!!
また、次回遊んでね!


 今日は比較的風が強かったがあまり気にせずに釣りが出来た。今思うにマスターゼロ+01フロロといったゼロタックルにその理由が隠されているのだ。当然だが細身の竿は風を受けにくく、01ラインもドリフト時の風による吹き上がりが起きにくい。よって風の中でも自然に餌を流すことが出来ると同時に釣り人の腕への負担も少ないのだ。更にゼロといった竿の調子は釣り人、渓魚、双方のコンディションに関係なく柔軟に対応してくれるような気がしている。確か昨シーズン、華厳から途中でハエ竿に持ち替えようやく針に乗せることが出来た経験があったがこの時は私が不調!それにより合わせだけでなくトレースするべきラインを若干外しショートバイトの連荘だったのでは?と思っている。このショートバイトにも柔軟に対応してくれるのが自由度の高い(魚ストレスゼロ)竿、そしてフロロ細糸によるデッドスローなドリフトでは?と感じている。ゼロロッドは2度でも3度でも繰り返し魚を警戒させることなくアタックさせることが出来る魔法の竿であり、フロロ01のスローなドリフトは魚に十分な捕食時間を与えゆっくり確実に喰わす事を可能にしているのでは?マスターゼロ00がねこそぎと言われる理由が何となく分かった気がしたゴギ蔵である。

 それにしても絶対に氷がつかない竿(塗装)ってないのかな?目印も凍らない素材って出てないのかな?冷凍庫での釣りはあまり経験してないので今回は大変良い経験になったと思う!タモ枠もやはり金属以外が良いみたいですね!ん〜硬派ジャケットが無かったら私はどうなっていたのでしょうか?それにしても今までで最も冷たい釣行記になってしまった!!
竿をたたむと何故か青空が覗くのだ・・完全にイジメだ!

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